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刀剣乱舞/天青 【刀剣乱舞】

第6章 浅葱色の相棒


「清光?」
「お、まえ…ほんとに…?」
「うん、僕だよ」
「……」
加州清光は言葉を失ったかのように唖然とし、数秒後ゆるゆると悠青を見上げた。その疑心暗鬼の残る顔に小さく笑みを向けてやれば、大きな溜息をつかれる。
「いや…悠青、すごすぎない…?なんで一発でくるんだよ…」
「お前が呼んだんだろ」
しれっと言う悠青に加州清光がジト目を向ける。だが悠青の方が何枚も上手だった。
「そもそも言い出したのはお前だしな」
「そうだけどさ…けどまさか一発で来るとは思わないじゃん?打刀だって何振りもいるわけだし…」
「え?もしかして、僕を狙って鍛刀したの?」
きょとんと首を傾げる大和守安定に、う、と加州清光が言葉を詰める。するとここぞとばかりに悠青が口を開いた。
「お前が居なくて物足りなかったそうだ」
「ちょっ、悠青!」
「へぇ…清光もかわいいとこあるじゃん」
「俺はかわいいの!」
怒りの論点がずれてしまっている。もー、と膨れっ面を作りそうな加州清光の表情に、悠青と大和守安定は小さく笑い声を上げた。
「そういえば、清光は主の事名前で呼んでるんだね」
「まぁね。俺、悠青が選んでくれた最初の刀だし」
「へぇ、そうなんだ」
ぱちくりと目を瞬かせる大和守安定と、誇らしげに胸を張る加州清光。ふた振りは仲がいいようで安心した。
「お前も好きに呼んだらいい。清以外にも名で呼ぶやつはいるからな」
「ふーん(清…?)…じゃあ、僕は悠青くんで」
「あぁ、わかった、大和」
にこりと笑う元沖田総司の愛刀達に、悠青も珍しく柔らかな笑みを浮かべる。一人とふた振りは喜びを胸に、鍛刀場を後にした。
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