第4章 最初の鍛刀
「これにて主様の初めての鍛刀は完了ですね!」
「いや、やってくれたのはこいつらだ」
言って悠青は鍛刀の精達の前にしゃがみこんだ。
「ありがとう、お疲れ様」
「!」
「!」
言葉を発することができないのか声の反応は無いが、ピンッと背筋をのばしてかたまったり、あたふたと手を振ったりしている。照れているのか嬉しいのかわからないが、悠青にはその様も微笑ましく思えた。
「よし、疲れているとは思うが、もう一振り頼めるか?」
「!」
悠青が言うと彼らはこくこくと頷き、それぞれの持ち場に動き始めた。その様を見送り、悠青は資材の調整に取り掛かる。鍛刀は失敗することはなく、何かしらの刀剣男士がうまれるという。ならばいろいろ試してみるべきだ。
「よし、頼んだ」
「!」
こくりとしっかり頷く鍛刀の精達に後を任せ、悠青達は新たな刀剣男士、前田藤四郎を連れて鍛刀場を後にした。