第4章 最初の鍛刀
次は?ときくと、あとは刀剣男士が増えてからですね、と返ってきた。では鍛刀が終わるのを待つしかないか、とひとまず広間へと移動する。
「刀剣男士が増えて戦力が増えてくれば時間遡行軍とも戦えるようになります。まずは刀剣男士を増やし、鍛えることが大切です」
「時間遡行軍と戦うってのは、具体的にはどうするんだ?」
「時間遡行軍が改変しようとしている時代に現れることを、まず主様に〝予知〟していただきます。そしてその時代に刀剣男士達を送り込み、時間遡行軍を討伐するのです」
「…予知なんてできないが」
「難しく考える必要はありません。執務室にある機械に主様の霊力を流していただければ、それを動力に計測、予測などの力が働くのです」
執務室にはまだ行っていない。そんな優れた機械があるのか、さすがは2205年だと悠青は目を瞬かせた。
「清光達をその時代に送っている間、俺はどうすればいいんだ?」
「刀剣男士達を信じてお待ちください」
「…それだけか?」
「はい」
「…」
悠青は顎に手を当てて思案した。その様子を加州清光が首を傾げて見つめる。
「…俺も共に戦うことはできないのか?」
「へ?」
「なんですって?!」
間の抜けた声をこぼした加州清光に続きこんのすけが驚きの声を上げる。だが悠青は気にすることなく話を続けた。
「送り込んで後は待っているだけなんていうのは性に合わない」
「いや、ですが…」
「俺の霊力で多くの事が左右されるなら、刀剣男士達の強さにも影響してくるんじゃないか?それなら近くにいた方が力を発揮できると思うんだが」
「それは…」
そうですが、のこんのすけの声は小さい。俯き耳を垂れ、どう説得するか考えている様子だ。そんなこんのすけを数秒見つめたあと、加州清光は悠青に向き直った。