第2章 おはなし
こんのすけはそのまま、長谷部の本体に近付き刀に触れた。
こんのすけが触れた途端、刀がまた淡く光り消えた。
『これで終わり?』
「はい、これで終了です。
手伝い札を使う事によって、依頼札だけの時よりも速く手入れが済みます。まぁ、詳しくは昨日お渡ししたマニュアル本をお読み下さい」
またポンっ!とこんのすけは煙に包まれ、煙が消えると元のこんのすけが現れた。
凄いな手伝い札。
これがあれば手入れ用の人形が二人だけでも、どんどん傷付いた刀剣達を手入れできる……あ、でも私の神力の量が足りるかどうか……
「主、ありがとうございました。こんのすけも、すまないな」
『い、いえ、当然の事ですから』
「構いませんよ、長谷部殿」
私は慌てて、手を振った。
なんというか、今までこんな人と会った事が無いから調子が狂うな……
長谷部はもう一度"ありがとうございます"、と言うと自身に巻かれていた包帯をほどいた。
うん、傷は無さそうだな。
『よし!手入れも終わった事ですし、朝餉でも食べに行きますか!』
「あ、主。申し訳御座いません。今の時間帯ですと、まだ準備中かと……」
『!!そうなの?……じゃあ、手伝いしに行くかー』
「いえいえ!主はお部屋でお休みになっていて下さい!朝餉ができ次第お呼び致しますので」
部屋に戻ってもなー。荷物まだ届いてないし、漫画や本も何もないし、する事ないんだよね。
『私も手伝いますよ。人手は多いが良いでしょうし』
「そう……ですか?其ならば、また俺がご案内致しますね」
長谷部さんは面食らったように驚いた後、ゆっくり頷いて言った。
『はい!お願いします!』
「私もお手伝い致しますよ!!」
『えぇっ!と、こんちゃんは…その気持ちだけで良いかな』
流石にこんちゃんが料理するってのは無理があるよね……狐だし。
「そうですか……?ならば私は味見係を致しましょう!」