第1章 アフロのカットは職人技
これにはさすがの万事屋連中も驚いたらしく、チャイナは俺への攻撃も忘れてキョトンと目を丸くした。
「何で、そいつの言ってること分かるアルか?」
「斉藤さん、今何もしゃべってませんよね?」
メガネも首を傾げている。
「おいおい、お前エスパーだったのか?だったらこんなZ野郎だけじゃなくて、この銀さんの心の中も読んで欲しいな~なんて…」
そう言いながら万事屋の旦那が姉さんの肩に手をかけようとすると、それより早く終兄さんが肩を引き寄せた。
『さんはこれから真選組の散髪に来てもらうことになっているのです。それではこれにて』
「ちょっと待てええェェ!!”それではこれにて”じゃねーよ!何どさくさにまぎれての肩を抱いていやがんだ!俺だってまだ手もつないだ事ねーのに!」
『ご安心を。一生つなぐことはありませんZ』
「「……」」
無言のままにらみ合う二人。
珍しいこともあるもんでさァ。あの終兄さんが、斬り合い以外であんな目をするとはね。普段が温厚なもんだから、あの目つきをした時はこの俺ですらヒヤリとする。
だけど万事屋の旦那も負けてねェ。
普段の茫洋とした表情が一変して、かつて白夜叉と呼ばれた頃のような眼光の鋭さを見せた。
こっちも、視線だけで人を殺せそうな迫力でさァ。