第7章 最初の晩餐
20時を回り、漸く夕飯が出来上がった。サラダを作り終える頃にはカレーの匂いが部屋を満たしていた。
「いい匂いだな。」
『それは良かった。冷めないうちにどーぞ。』
ソルは恐る恐るカレーを口に運ぶ。初めての食事という事もありこっちの方が緊張してしまう。口に合わないというのもなんか悔しいし、申し訳ない気持ちになる。向こうが勝手にこの家に居座ったのだが。
そんな緊張をよそに、ソルはカレーを食べ進める。
『ど、どうかな?不味くない?』
ソルが何も言わないのでこちらから聞いてみた。
「…これは……」
『これは…?』
「これは今まで食べた中で一番美味いかもしれん…。」
不味い。その言葉を覚悟したのだが。まさか美味いと、それも一番と言われると思わなかった。そのため、反応も遅れてしまった。
『……え?そ、そんなに美味しい…?』
「うむ。これは食べたことない味だがとても美味い!お前は料理の腕が立つのだな!」
『そ、それはないと思うけど…。口に合ったなら良かったよ。おかわりもあるからね。じゃあ、いただきます。』
私が作るカレーなんて一般の家庭で作られてるものだ。少し複雑な気持ちになるが、それでも美味しいと言われて嬉しくないわけもなく。私は少しにやけながら夕飯を食べた。