第7章 最初の晩餐
買い物に行く時もそうだったが、ソルは車のことや辺りの景色を見て色々な質問をしてくるから十数分の運転なのだが、普段の数倍疲れる羽目になった。
家に着き、荷物を運び入れた私は再び夕飯作りに取り掛かった。後はルーを入れ、サラダを作れば完成だ。だが、さっきとは違い、ソルがやはり物珍しそうに調理の様子を観察していた。
『…どうしたの…?あんまりジロジロ見られると気が散るんだけど…。』
「気にしないでくれ。こちらの世界は俺のいた世界とは全く違う文化が発達したのだと思っているだけだ。」
『そうですか…。』
確かに、聞いた限りだと魔法?魔力?よくわかんないけどそういうものを使える世界らしいし、光は全て火を使っているのかと聞いてきたくらいだから、恐らく今より原始的な生活をしていたのだろう。スイッチ一つで火がつく事も冷蔵庫も知らない、未知の物で溢れている状況でじっとしていろという方が無理な話だ。
「この箱はなんだ?」
『これは電子レンジ。食べ物を温める機械だよ。』
「こっちの箱は?」
『冷蔵庫。それは食材を冷やして保管する機械。』
「これは……」
夕飯が出来るまで、ソルの質問攻めにあったのは言うまでもないだろう。