第6章 交渉の行方
『じゃあ、私は夕飯作ってくるのでソルさんは寛いでいていいですよ。』
「ソルで良い。敬語も不要だ。」
『ああ、はい。じゃあ、ソルって呼びま…呼ぶね。』
なんか、偉そうというかそういう感じの人が敬語も敬称もいらないって言うの違和感あるなー。楽でいいけど。
てか、寛いでいてとか言ったけどここで寛げるのかな?喋る言語は一緒だけど読む文字が違うとかはあるのか…?
考えても考えても答えは出ないという事で、とりあえず放っておいて夕飯の準備を進める。
そういえば、今はサイズ大きめのスウェットとロンT着てもらってるけど、下着とかってどうなってんだろ…え、パンツ的なの履いてんのかな…?今、18時ちょい過ぎだから…18時半までに終わらせて買いに行かないと。
…………………………
とりあえず煮るまでの作業を終えてリビングに行くと、ソルはテレビに興味津々といった様子だった。
『何してるの?』
「ん?ああ、お前か。いや、この箱?は何か見ていたところだ。」
『これはテレビっていって、なんかいろいろな技術によって作られた映像を見る機械。まあ、後で見せるよ。それより、今から買い物に行くよ。』
「なぜだ?夕餉の材料が足らなかったのか?」
『あー、そうじゃなくて、ソルの衣服と日用品で必要な物を買いに行くの。いつまでも丈の合わない私の服を着てるわけにもいかないから。今日はその格好で我慢してね。』
「そうか。では案内してくれ。」
ソルには私のサンダルで我慢してもらい、私の運転で近場の安い服屋に向かった。