第6章 交渉の行方
「まあ、仕方ない。その条件は呑み込もう。」
なにか屁理屈が返ってくるのではと思ったが、意外にもあっさり承諾してくれた。
『必ず守ってくださいね。』
とりあえず一安心だ。
本来見ず知らずの男を部屋にあげている時点でおかしいのだが、まあ、気にしない気にしない。
時計を見るともう18時を回っていた。
ご飯…この人何食べてたんだろ…王子っていうからにはいいもの食べてんだろうな…こんなもの不味くて食えんとか言われたりして…
不安はあるものの私は夕飯の準備に取り掛かる。
「夕餉を作るのか。何を作るのだ?」
『んー、材料的にカレーでも作ろうかと…。』
「カレー?聞いたことない料理だな。お前はよく食べるのか?」
聞いたことない…
異世界じゃ作られてないのか。
『はい。簡単なので週に1回は…って、そういえば名前聞いてませんでしたね。お名前なんて言うんですか?』
「人に尋ねる前に自分から名乗るものではないのか?」
そういう文化は一緒なのか…
『私は世良耀です。』
「俺の名は、ソル・レオーネだ。よく覚えておくといい。」
ソル…どっかの国で太陽みたいな意味だっけ?そんでレオーネはライオン…
この王子(仮)…ソルがいた世界と言語や風習、文化には似通った部分があるのかもしれないな