第6章 交渉の行方
服屋に着き、早速メンズのコーナーに向かう。
「ほう、これがこの世界の男の服か。」
『大きさが合いそうなもので好きな服を適当に選んでください。』
「向こうでは決まった服だったから新鮮だな。」
ソルはその言葉通り、目を輝かせながら服を物色している。
ソルが服を選んでいるあいだに足りない寝具と歯ブラシなどの日用品を取ってきた。
『決まった?』
「んー…こちらの服はどのようなものがいいのかよくわからん。耀が選んでくれ。」
それもそうだよね。ソルが来てたのだって中世風の軍服みたいな感じだったし。
『じゃあ、寝巻きも適当に選ぶね。あとは下着だけど…』
ソルの世界では下着を履くのか、どのようなものなのかまったくわからない以上、本人に聞くしかない。
『こっちじゃこーゆー下着を履くんだけど、そっちじゃどうだったの?』
「履いているぞ。だが、ここのものよりあっちにあったものの方が俺の世界の物に近いな。」
そう言って女性物の売り場の方を指さした。
『あー…そっか。まあ、似たようなの履いてたならいいや。こっちじゃこーゆーのだから慣れてね。』
履いてないって言われるよりずっとマシだと言い聞かせ、気まずさを紛らわせる。この後靴も買いだいたい必要な物を買い揃えた私たちは家に帰った。