第5章 VSストーカー
『あのっ!!!』
私は2人の間に入って大きな声を上げていた。
「お前何してんだ、危ないのわかっているのか?」
『う、うう、うるさい!』
2人は私の突然の行動に驚いたのか、黙ってしまった。
そして、私も自分の行動に驚いている。
何やってんだ私いいいいい!
心の中で叫ぶが、実際なんでこんな事をしているのかは察しがつく。
理由は後にして、とりあえずこの状況を切り抜けなければ…
もうやけくそだ!
『ストーカーさん。正直に言います。』
「え?」
スーッ
『あなた、気持ち悪いんですよ!なんなんですか!私が出かければ行く先々で見かけるし、たまに大学でも見かけるし!こうして家に来ることだってあるじゃないですか!もう、うんざりなんです!迷惑なんです!毎日が怖いんです!私の幸せを思うなら、もう放っておいてください!!!」
とうとう言ってしまった…もうこれ刺されるんじゃない大丈夫?絶対大丈夫じゃないよね?刺さないでー!
頭の中がぐるぐる回るし、汗もダラダラ出てくる。
ストーカーがどう出てくるのか。それだけが問題だった。
「そんな、ひどいよおー…」
『え…?』
ストーカーは刺すでも発狂するでもなく、泣き崩れてしまったのだった。