第5章 VSストーカー
「まあ、そんな事は冗談でここでお前に恩を売っておけば俺の保身に繋がるからな?」(小声)
王子は変わらず優しい笑みを浮かべながらそう伝えてくる。
『………。』
は?
今何つった?保身???
そう。彼のこの素晴らしい彼氏としての振る舞いは、全て私に恩を売り、自分の身を護るためだったのだ。
くっそ、さっきの数分間のときめき返せ!!
ってか、あんなのにときめいた自分に腹立つ!!
私は非常にムカついたが、さっきの謎のハイテンション?から抜け出し冷静になっていた。ここでどうこう言うわけにもいかないし、ときめいた事なんて絶対悟られたくない。というわけで少し放っておいてしまったストーカー撃退作戦に戻る。
『私にはもうこの人がいるんです。だから、お引き取り下さい。』
「今のうちに帰った方が身のためだ。」
王子(仮)もしっかり演技?をしてくれている。この調子ならストーカーが帰るのも時間の問題だと思った。