第5章 シガンシナ陥落〜トロスト区攻防戦
「も、勿論……!」
キースは当然、今までの兵士達の犠牲は人類が巨人から平地を取り返す為の糧になっていると嘘でも言いたかった。
「……いや、今回の調査で……、我々は……、いや、今回も……、ッ……!!」
しかし、我々人類は
「何の成果も……ッ、得られませんでしたァァアアアッ…………!!!!」
巨人に対して何も得る事は出来なかった。
「私は無能なばかりに……ッ!ただいたずらに兵を死なせ、奴らの正体を……ッ!突き止める事が……ッ、出来ませんでしたァァアアアッ…………!!!!」
キースは自分の不甲斐なさと、今までに心臓を捧げてきた兵士達の死を無駄にしてしまった事を嘆く事しか出来なかった。
『……、』
何も、変わらねぇ……。
私はせめてもの死んだファーランとイザベルの為に壁外の巨人供を殺して、アイツらの願った本当の自由を手に入れたかった。
だが、いくら巨人供を殺そうとも、仲間を犠牲にしようとも何の進歩も得られなかった。
後どれだけの巨人を殺せばこの世界から巨人は居なくなる……?
本当に私達人類が巨人に打ち勝てる勝算なんてあるのか……?
人類の反撃なんてものは、もっと先、遠い未来の話なのかもしれない。