第4章 最後の希望 (閑話)
「いや、ほんとスミスさん自分の気持ちに鈍感すぎでしょう……。はぁ……、何で失恋したばっかりの僕が恋の仲介役なんてやらなくちゃならないんだ……」
ロドリーはうんざりした様子でうな垂れた。
「君が何を言っているのかさっぱり分からないが……」
「だーかーらぁー!スミスさん、貴方はリヴァイさんに恋心を抱いているんですって!」
「俺が……、リヴァイに……?」
「嘘だと思うなら聞かせてもらいますけど、僕が彼女を襲っているのを見たときどう思いました……?」
「怒りが込み上げたに決まっているだろう。彼女に何かあっては困る」
「それもそうでしょうけど、違くて!じゃあ、もし僕があのまま最後までリヴァイさんを陵辱していたらどう思ったんですか……?」
「殺したいくらい、憎いに決まっているだろう」
「それは……、どうして?」
どうして……、だと?
俺がリヴァイをそこまで擁護するのは彼女が人類の反撃にとってなくてはならない存在だからで、逸材の兵士だからで……、
それで…………?
「俺が嫌だと思う……、からだ」
「それは何故……?」
それは、それは……、
「彼女が他の男にその身を穢されるのは耐えられない。彼女がその身を捧げるのは俺だけでいい。それに、彼女をどちらにせよ泣かせるのは俺だけがいい……、と思ったからだ」
それは、俺の心の底から出た答えだった。
兵士としてではなく、
人類として、人間として、1人の男として。
「わぁー……。結構毒々しいですね、貴方。まぁ、自分の本心に気づけてどうです?まだ何かアドバイスした方が良いですか……?」
「いや、もう結構だ」
そうか、俺はリヴァイ、君を……。
「切り替えが早いな……。流石シャーディス団長の補佐役を任されているお方なだけありますね」