第4章 最後の希望 (閑話)
リヴァイはグラスを仰ぎ、一口飲んでみる。
「ど……、どう?」
『……!美味い……、』
「本当っ⁈それは良かった……!」
本当に美味い。
今度から紅茶以外にも飲むレパートリーを増やした方がいいかもしれない。
「……、ところで、話が変わるんだけれど。君は私の縁談を断る決意は変わらないのかい……?」
リヴァイはグラスを一度テーブルに置くと、手を足の上に置く。
『あぁ……、テメェには悪りぃがその話は飲めねぇ。私はこの先エルヴィンについていくと決めた。それに、今の私の背中には壁外で散っていった仲間達の想いも背負っている。調査兵団を抜ける事は出来ない』
「そう……、かい。じゃあもし、調査兵団を辞めなくてもいいと言っても……?」
『当然だ。調査兵団はいつ壁外で死ぬか分からない。帰ってくる保証も無い。そんな奴をテメェは毎回待っていられるのか?それに、身分が違いすぎる……。会えねぇ時間の方が多いだろうな。テメェにはもっと女らしくていつも側に寄り添えるような奴の方がいい』
「君が女らしく無いとか関係ないよ……っ!君だから僕は縁談を持ちかけたんだ!君じゃなきゃ意味がない……!」
『そうか……、じゃあハッキリ言わせてもらう。テメェに好意は無ぇ』
ロドリーの目を見てリヴァイがハッキリそう答えると、ロドリーは片手で顔を覆った。
「……、そうかい。やはり君の決意は変わらないかい……」
『あぁ……、』
「……、そう……か……」
そう言ってソファにもたれかかった後、何が可笑しいのか急にロドリーは笑い出した。
「クククッ……、あはははははっ……!」
『……?何だテメェ……』
リヴァイが怪訝な顔で伺うと、ようやく笑いが収まったロドリーは涙を指で拭いながら話した。
「ごめん、ごめん!そんなハッキリ断られるとは思わなくってさ……。いやぁ、傑作傑作……!大失恋だね」
『私がそれぐらい不躾な奴だって事ぐらい知ってるだろうが……』
「そうだね……!はははっ……、悪かったよ」
ロドリーはまたもやベルを鳴らす。
「あの例のやつも」
「はい……、畏まりました」