第4章 最後の希望 (閑話)
「おい、リヴァイ貴様……」
『あ"……?何か問題でもあると……?』
「……、」
キースは今絶大に叫びたかった。
「貴様、何故タキシードなんだァァアアアッ……⁈⁈」
『うるせぇな……、別に良いだろうが』
「まぁ、キース団長。彼女の好きにさせて良いではありませんか。寧ろ、ドレスを着て不躾に恥を晒すよりかはマシかと……」
エルヴィン何ともないといった表情で淡々と答える。
「だがなぁ、しかし……」
「普段からこのように横暴的ですから、急にしおらしくしろと言われても無理があるでしょう」
「まぁ……、そうだな。リヴァイ、礼儀や作法だけはちゃんとしてくれ」
『フンッ……』
「(とても不安だ……!)」
だがそんなキースの不安は杞憂に終わった。
「ようこそお出でなさいました。私がご案内致しますよ」
馬車を降りると、ガナード卿が私達を迎えに来ていた。
「長途で疲れましたでしょう?あ……、貴方が息子の……」
『あ"……?』
「(リ、リヴァイ〜〜ッ⁈)」
そう言うとリヴァイに一度上から下まで品定めをするかのような視線を送る。
しかしリヴァイの不躾な態度は気にしていないようで、直ぐに笑顔に戻ると私達を案内する。
中へ入ると多くの人々が煌びやかに着飾り、お酒や食事、会話を楽しんで賑わっていた。
すると、此方へ走ってくる男性が1人。
「あっ……!父さん、それにリヴァイさんっ!」
「不躾ですみません……。此方が私の息子のロドリーでございます」
やはりあの時のガキか……、
「……!リヴァイさん!!お久しぶりですっ!!僕の事覚えていますかっ⁈」
急に手を取られ、ブンブンと上下に振られる。
『まさかあの時助けたガキが此処のお坊っちゃんだったとはな……』
「やはり、覚えててくれたんですねっ……⁈嬉しい!」
『おい、何す……っ』
リヴァイはロドリーに力強く引っ張られ、着いていくしかなかった。