第3章 悔いなき選択 (後編)
出撃の鐘が鳴り響く。
「開門、始めーーーッ!!今日また一歩、我々は全身するッ!!訓練の成果を見せてくれッ……!!人類の力を、思い知らせてやるのだァッ……!!」
うおおぉおーーーッ!!
キース団長が怒号をあげ、兵士達を奮い立たせる。
門が開き、光と共に風が舞い込む。
「第23回、壁外調査を開始するッ……!!前進せよォォオオッ!!」
その言葉を合図に、兵士達は皆馬を走らせ前進する。
門を抜け、見上げた壁外の空は何処までも広く繋がっていて、鳥達が自由に羽ばたいていた。
リヴァイもファーランもイザベルも、初めて見る壁外の清々しい青空と眩しい太陽の光に照らされ、見惚れていた。
「すっげぇ……っ!!」
『あぁ……、悪くねぇ……』
そんな3人の様子を見た先輩がその行動を注意する。
「何やってるの……!ぼんやりしないで、観光じゃないのよ。いつ巨人と遭遇するか、分からないんだから!」
「フンッ!出たらちょちょいと始末してやるよ……!」
「バカっ……!!真っ先に死にたいのっ⁈」
「なんだよ〜……、」
怒鳴られた事に対して不満げなイザベルにその先輩は真剣な眼差しで話す。
「貴方達はまだ巨人を見た事がないからそんな事が言えるのよ……!これまでどれだけの優秀な兵士が食われてきたか!」
先輩がそう言った直後、
「巨人発見……!右手前方!!15m級1体!!」
明らかに人間よりもデカい"それ"は手を振りながら此方へと向かって走っていた。
「あれが……、巨人!」
想像よりも遥かにデカい巨人に私達は驚きを隠せなかった。
「後方からも、10m級が2体!此方へ向かってきますッ!!」
前方の兵士達が見事な連携をとって15m級の巨人を難なく倒す。
「すげぇっ……!!」
「憲兵団とは動きが違う……!」
ファーランとイザベルが感激している中、私達のすぐ背後には10m級の巨人が2体、迫っていた。
「お前らそこを動くなァッ!!」