第3章 悔いなき選択 (後編)
「……っ!勝手に決めるなよ!!やってみなきゃ分かんねぇだろッ⁈……、どうしたんだよ。臆病風なんてらしくないぜ!!」
『ッ……!出来ないならこの話は無しだッ!!』
「えっ……、」
『別の機会を狙う……』
2人へそう言い放ってリヴァイは空が見える屋上へと向かって行く。
アイツらは何も分かっていない……。
これがどれだけ危険で危ない賭けなのか。
読めないあの男を相手にする上に、他の兵士達だっている。
それに、どんな行動をするのかも知らない未知の巨人にも気をつけなければならないなんて、ほとんど賭けでやる様なものだ。
アイツらには出来ないと、そう思ってしまう。
万が一、アイツらの身に何かあったら……、
その時、この静まり返った世界にガチャリとドアが開く音が響いた。
「兄貴、」
「リヴァイ……!話し合おう。どう考えても、お前1人で行くのが良いとは思えない!それこそ危険だ……!」
「外へ行く時は3人一緒に、だろ?忘れたのか……っ⁈」
『……、同じだ』
「え……?」
『月も星も無いと、夜の暗さは地下も地上も変わりない』
結局地上で生きていようが、地下で生きてようが、大して変わらないのかもしれない。
壁に覆われた世界にいて、外には巨人という脅威が存在している。
地上に出れたからといって何処にでも自由に行ける訳でもなく、結局は同じ鳥籠に囚われているだけだ。
「……、"空の色"はな。でも「でも違うよ!」……っ!」
「天井が無いのが分かるもん……っ!全然違うよッ!!」
「……、そうだな。空が抜けてるんだ!同じ暗さでも地下とは違う」
「ほ、ほらっ!」
イザベルが指を指す方向を見上げる。