第2章 悔いなき選択 (前編)
暗い建物の中入り、姿を眩ませる。
この辺の建物の造りなら私達の方が知っている。
それを利用して奴らを出し抜く事を考えよう。
そして例の物を奪い取り、"例の男"を殺す。
私達の目的はそれだけだ。
暗闇を駆け抜け、窓から外へ抜け出す。
『……っ⁈』
しかし、向かいの建物の隙間から奴らの1人が刃を携えこちらに向かってきていた。
動きを読まれていたか……っ⁈
リヴァイ はすぐに体勢を整えて奴の一撃を交わす。
上に壁のある通路へと逃げ込み再び姿を眩ませる。
チッ……、1人ですらこんなに手こずるとは厄介な奴らだ。
一先ずここを抜けたらまた"ドォォオンッ!!"『……ッ⁈』
突然大きな音を立てて上を覆っていたレンガの壁が崩れ、先程の奴がデカい体で突進してきた。
反応に遅れたリヴァイその勢いのまま荷台にぶつかり、硬い地面に引き摺られる。
「ぬう"ぅぅううッ!!」
『ぐッ……!!』
フードが脱げ、そいつの姿が露わになる。
リヴァイは素早く地面に手をつけ、バネのように伸ばし、その反動で後方に回転して立ち上がる。
ナイフを構えてすぐ様その男に向かってナイフを振り上げる。
さすが調査兵団というだけあって、私の一撃は塞がれてしまった。
だが、コイツの右の剣は後ろに飛んでいった。
その隙を狙ってコイツの急所を狙う……!!
『(死ねッ……!!)うおぉぉッ!!』
リヴァイは両手でナイフを持ち急所一点を狙い、トドメを刺した……、つもりだったが、
ガキィィンッ!!
スカイブルーの色をした瞳と目が合う。
『なッ……⁈』
届くはずの刃はソイツに届く事なく、もう1人の奴らの仲間に阻まれた。