第2章 悔いなき選択 (前編)
「ヤンの確認は取れた。確かに、一流の病院に入ってる。馬車の男の身元も間違いない。あの仕事は本物だ……!やるんだろ、リヴァイ!」
どうやらアイツらの言っていた事は間違いないらしい。
ならば、成功した暁には居住権が貰えるという話も嘘ではないだろう。
ただ……、
"1つ言っておく。お前達がこの仕事をやるやらないに関わらず、ターゲットは接触してくるだろう。つまり、無関係ではいられない、という事だ"
"調査兵団"か……。
憲兵団のようにはいかねぇだろうな。
「兄貴……?」
『いつも通りにしてろ。……だが、あのハゲの言う通り奴らが出てきたら仕事を始める』
いつも通り、商人達の荷台に積み上げられた荷物を立体起動装置を巧みに使って倒す。
「おい、待て!また奴らだ!!」
私達の仲間の1人が素早く散らばった物をいくつか取り、抱えて逃げる。
「誰かっ!憲兵団を読んでくれッ!!」
立体起動装置を持っていない奴らには私達に追いつける手段はない。
「いやっほぉ〜〜〜〜いっ!!」
騒動に駆けつけた謎の集団が私達のすぐ背後を同じように飛んでいる。
「リヴァイ、来たぞ!追っ手だ!」
『……っ!来たか』
「フンっ……、憲兵団かぁ!懲りない奴らだぜ……。リヴァイ兄貴!今の台詞カッコよくね⁈」
『バカか』
真っ直ぐ飛んでいたのを方向転換し、後ろに後退してカウンターで奴らを惑わせる。
奴らの動きは動きが単調なだけの憲兵団とは違う……。
明らかに連携が取れていて洗礼された動きだ。
奴らがきっとあの男が言っていた"調査兵団"という団体なのだろう。
「あの動き、憲兵団じゃない!」
『あぁ、間違いない。奴らだ。あの自由の翼の紋章……、"調査兵団"だ!』
「へっ……!さすが壁の外で巨人と戦ってる奴らは違うな!」
『お前ら……、分かってるな?』
「とーぜん!」
「"仕事"だね」
ファーランのその言葉を合図に、イザベルとファーランは左右に別れて離脱する。
それをリヴァイは横目で見た後、さらにスピードを上げる。
『(さて……。調査兵団の腕前……、見せてもらおうかっ!)』