第2章 つまさき立ちの恋【跡部景吾】
男子A「代わってくれるよね?安心しなよ、暇が出来たら苗字さんとも遊んであげるからさ?」
名前「……っ!?」
キモチワルイ…。
私の思考回路も心の中も、その感情でいっぱいになる。
触らないで、近付かないで、見ないで、話し掛けないで。全部声にも出ずに、肩だけがその気持ちを主張する様に僅かに震える。
そんな私を鼻で笑って、男子生徒は教室から出て行ってしまった。
名前「………最悪」
誰も居なくなった教室で、ぽつりと呟く。誰も居ない静まり返った教室では、そんな小さな声も反響しているかの様に大きく聞こえた。
あと二人居た筈の掃除当番も姿を現さず、私は一人で黙々と教室の掃除をしていた。掃き掃除、雑巾掛け…一人で全てやっていると何だか自分が情けない存在の様に思えてくる。
名前「何が遊んでやる、だよ…アンタみたいなクズ男に遊ばれたら人生終わりだっつうのっ!」
苛々してくる思考を落ち着かせたくて、このモヤモヤした感情を鎮めたくて…私は握っていた雑巾を思いっきり投げた。
すると…。