第2章 つまさき立ちの恋【跡部景吾】
傍らに居るのを許された唯一の存在が、一年年下の樺地崇弘君ただ一人。
そんな孤高の存在が心を許した女性とは、一体どんな人なんだろう?
そして、そんな彼に恋する私って…一体いつになったらこの気持ちを精算出来るんだろう…?
考えている間に授業が始まり、時間は過ぎて行った。
男子A「ねぇ、苗字さんってさ、今日って何か用事あんの?」
名前「へ、う…ううん。別に用事は無いけど…?」
男子A「あ、マジ?じゃあさ、掃除当番代わってくんない?俺、今からデートなんだよねー」
はあ!?何考えてんの、何でお前のデートの為に私が掃除当番代わってあげなきゃいけない訳!?
何て、強気に聞けたら良いのに。如何せん、こういう時にヘタレさが出てしまう。
名前「ゃ…でも……」
男子A「何?」
何とか話を好転させなければ、その一心で口を開いた。すると次の瞬間、冷たい声音で即座に反応する男子生徒に…私は臆してしまった。
竦み上がる様に固まってしまう私に、彼はにんまりと笑って私の肩を軽く叩き…耳元に顔を近付けてきた。