第5章 知り合いは何処であるか分からないから良い格好して外出しなさい
__ドォォォンッッ!!!
土「御用改めである!真選組だ!!
丁重にお縄になりやがれッ!」
お決まりの台詞とともに真選組は攘夷党のアジトへ突入する。夜荘は舞うように次々と敵を倒していく
土方には胸糞悪いあの銀色の髪の男と姿が重なって見えた。戦で生き残るために身につけた、道場とは違う型のない刀だ
夜荘は敵に囲まれる。ガッと後ろから首を絞められるが、左手でその者の顔を鷲掴みして振り払う。さらに刀でその者諸共、周囲の敵を全員斬り倒した
貴「俺に殺されたい奴ァ、前に出な」
カチャリと刀を持ち直し、敵の群れに突っ込んでいく。それから一階、二階、三階と制圧していく。そして四階に上がったところで人質が真選組の隊員達の目に入った
男「そこを動くな!!」
人質の見張り役の男が赤いチャイナ服の少女に刃を向けていた。「…チャイナ!!」と近藤が叫ぶ。知り合いのようだ
(貴「ありゃァ…夜兎じゃねェか」)
夜荘は彼女の雰囲気に見覚えがあった。第一次攘夷戦争にて、初めて戦った強者は“夜兎族”だったから、夜兎よく覚えていた。ちなみに夜兎族を初め、荼枳尼族や辰羅族、蓮蓬族、などと戦った事がある
人質はやはり20人弱。その中には大人の男女15人、子供が数人。夜兎族の少女に、山崎。取り敢えず集めたような組み合わせである
夜荘はふと下に転がっている木刀を目にする。“洞爺湖”と書かれた通販で買えるような木刀だ。バッと手に取り、一瞬にして男の目の前に出た
そして喉を1突きすると、男は白目を向いて倒れた
貴「嬢ちゃん、大丈夫か?」
夜荘は彼女を見てみると「大丈夫アル!」と笑顔を見せるが、彼の持つ木刀を見てボロボロと涙を流す。バッと彼の服を握って「銀ちゃんを助けてッ」と必死に訴える
近「新八君、万事屋に何があったんだ?!」
新「じ、実は…上の階で拷問を受けてて…!!
本当は山崎さんが受ける予定だったんですけど!!」
少女の横にいる新八は簡単に説明する
夜荘はあの会話を思い出した