第8章 昨日の友は今日の敵
高「まさか“青玉鬼神”が真選組の、しかも局長補佐になってるたァ。攘夷浪士が泣くぜ?」
貴「俺は男に泣かれる男にでもなったのかい?せめて女に泣かれる男になりたいんだけど…」
「テメェは男に泣かされる男だろ」「ウルセェ捥ぐぞ」と2人は毒を吐く。夜荘は高杉に泣かされたことはある。攘夷戦争時代の話だ。ちなみに今の2人には身体の関係はない
貴「また今度にしてもらおうかな?
今も暇じゃないんでねぇ」
そう言って夜荘はため息を吐く。こう言っても聞く球じゃないだろうな。彼は刀に手をかける
だが、高杉の応答は意外なものだった
高「…分かった。今はやめておいてやらァ」
夜荘は目を見開いた。彼は、「随分と素直だな」と高杉を見る。高杉は「別件で立て込んでんだよ」と舌打ちをした。近頃テロを起こすらしく、それが真選組にバレているらしい
高「テロの主犯格がいるのに、なんで捕まえようとしねぇんだァ?」
貴「仕事時間じゃねぇもん
それに今は何もしてねぇだろ?」
そう言って夜荘が微笑むと、高杉はフゥと煙を吹かして「そうだな」と呟いた
高「随分と甘ェ局長補佐だな」
貴「それはお互い様じゃないかい、総督殿?」
お互いに斬れるタイミングがあるにもかかわらず斬らないのは、やはりお互い心を持った人間であるからだろう
また今度な。高杉はまた煙を吹かして、ひらりとその場を後にした。今度…それは敵同士になる可能性が高い。その時はお互いに本気で殺し合うだろうな。夜荘は密かにそう思っていた
するとちょうど神楽が夜荘の元へ戻って来た
神「夜荘!行くアルヨ
…む?なんかここら辺煙臭いネ」
貴「そうか?終わったんだろ、さっさと行こうぜ」
彼は煙の香りをかき消すように、その場を離れた
その後2人は買い物に行ったり、遊びに行ったりした。その帰りの出来事である