第9章 気付いた想い
〜 ピッコロside 〜
ピ「悟飯か…どうした?」
悟飯が近付いて来るのに気付き、目を瞑ったまま口を開く。
飯「あの、ピッコロさんに聞きたいことがあるんです」
ピ「そういえば、気になる事があると言っていたな」
目を開き、床に降りる。
ピ「なんだ?」
飯「えっと……」
悟飯はテーブルの方を振り返る。
同じく其方に目を向ければ、蓮達が食後のデザートを食べていた。
蓮達はデザートに夢中で此方を気にしている様子はない。
飯「単刀直入に言います。ピッコロさん……蓮さんの事好きなんじゃないですか?」
ピ「なっ!?」
突然の悟飯の言葉に思わず大きな声が出てしまった。
飯「ちょ、ちょっと、大きな声出さないで下さいよ!!みんなに気付かれます!!」
ピ「お前がおかしな事を言い出すからだろうがッ!!」
慌ててテーブルを見るが、お菓子に夢中で誰も気付いてはいないようだ。
飯「はあ…もう、気を付けて下さいよ〜」
ピ「あ、ああ…」
飯「で、どうなんですか?」
ピ「何がだ?」
飯「蓮さんの事です」
『蓮』…という名前に再度身体がピクリと反応する。
ピ「わ…ワケのわからん事を言うな。お前の言ってる好きとは…つまり……」
飯「もちろん…恋愛感情の『好き』の事ですよ。当たり前でしょう」
ピ「オレが恋愛?…そんなわけがない」
飯「本当ですか?」
暫し無言で見つめ合う二人。
先に口火を切ったのは悟飯だった。
飯「……ピッコロさん、昨日の歓迎会でヤムチャさんが蓮さんに近付いた時、イライラしたでしょう?」
ピ「なっ……!?」
飯「帰りに亀仙人さんにフォークを投げ付けたのもピッコロさんですよね?」
ピ「ご、悟飯…お前……」
飯「すみません…ボク、ピッコロさんの様子がなんだかおかしいのが気になってしまって…ずっと見てたんです」
ピ「だ……だからといってそれは有り得ん。オレには恋愛感情など分からんのだ」
飯「そんな事ないと思います…蓮さんといるピッコロさんは絶対にそうです。ボクはビーデルさんとお付き合いしてから、恋愛の事を沢山知る事が出来ました」
「そうだ!」と何か思い付いた様にポンと手を打つ悟飯。