第8章 練習開始
悟「よし!じゃあみんな、オラに掴まってくれ!!」
悟空さんが指を額に寄せた次の瞬間……周りにいたみんな共々、一瞬で消えた。
蓮「えっ!?」
今、何が起こったのか全くわからない。
キョロキョロと周りを見回すも、何処にもいない。
ピ「瞬間移動だ」
蓮「しゅ、瞬間移動!?」
ピ「ああ。悟空にしかできん技だがな。便利なものだろう?」
蓮「おおっ!スッゲェ!!ビビった〜!!」
パチパチと目を瞬かせる。
この世界は超人だらけだ。
ヤ「ねぇねぇ、蓮ちゃん♪オレもそろそろ帰るけど、明日一緒に都見物に行かない?」
まだ諦めてなかったヤムチャさんがやって来た。
蓮「都見物ですか?」
ヤムチャさんは良い人なんだが、こうグイグイ来られると少し困る。
それに、なんとなくピッコロに聞かれたくないと思う。
ヤ「そう♪オシャレなカフェとか美味しいレストランも「ちょ、ちょっと待って下さい!!」」
話し続けるヤムチャさんを遮る。
ヤ「おっとごめん、なんか都合悪かった?」
蓮「あの、すみません。実はあたし、ピッコロに空の飛び方を教えて貰う約束をしてるんです」
ヤ「え!?ピ…ピッコロに?」
驚いた様子でピッコロを見上げるヤムチャさん。
ピッコロの顔が少し勝ち誇った様に見えるのは気のせいか?
ヤ「あー、そう…約束があるなら仕方ないか……。んじゃ、また今度改めて誘うよ。じゃあね」
蓮「はい…すみません。今日はありがとうございました」
手を振りながら帰って行くヤムチャさんを見送ったあと、ピッコロの方に顔を向けた。
蓮「なあ、ピッコロ…」
ピ「ああ、舞空術を習いたいのだったな。明日から始めるか?」
蓮「ああ、よろしく頼む!!」
ピ「では明日、10時に迎えに来る」
蓮「わかった、待ってる」
明日もピッコロに会える事が何故か凄く嬉しくて嬉しくて、胸の中があったかくなる。
あたしは神殿へと飛んで行くピッコロの後ろ姿を見えなくなるまで見つめていた。