第7章 歓迎パーティー
〜 蓮side 〜
あの後、ヤムチャさんの誘いは取り敢えず保留してみんなで雑談をしていたら、ブルマさんが唐突にこんな質問を投げ掛けてきた。
ブ「そういえば蓮ちゃんって、元の世界ではどんな生活してたの?」
蓮「え……?」
訊かれた瞬間、身体の動きが停止した。
ブ「いやね、よく見ると背中に刺青とか彫ってあるから結構ヤンチャしてたのかなって思ってね」
蓮「……!?」
(なんで刺青が見えて…!!しまった…今日下にタンクトップ着てない…!!)
いつもは下にタンクトップを着ていたから隠れていたけど、今日は着るのを忘れてしまった。
だから薄い夏用のブラウスでは透けて背中の刺青が見えてしまう。
今まで忘れた事なんかなかったのに、楽しくて気を抜いてしまった。
(訊かれたくなかった…触れないで欲しかった……)
けど、居候させてもらうからには話さない訳にいかない。
元の世界での事…そして、背中の事……。
蓮「…あ…あの……こ、れは…」
けど、思ったように声が出ない。
言わなければならないのに、怖くて声が出なかった。
言ってしまったら、みんなに嫌われそうで…。
離れていきそうで、なかなか言えなかった。
額からは嫌な汗が流れる。
悟「お、おい、大丈夫か?おいブルマ、蓮困ってんじゃねぇか」
ブ「あ、ごめんなさい!!違うのよ蓮ちゃん、詰問してるわけじゃないの。ん〜、どうも私は言い方がキツくなっちゃうのよね〜……」
またやってしまったとばかりに額に手をやるブルマさん。
違う…そうじゃないのに…。
なんと答えていいか分からず、ギュッと手を握り締めていると、肩に手が置かれた。
見上げると、優しい表情のピッコロ。
ピ「話したくなければ話さなくていい。無理に聞くつもりはない」
ピッコロの言葉と手の暖かさにホッとする。
蓮「…ありがとう…大丈夫だ。ただ、何から話せばいいのかわかんなくてな……」
静かに頷くピッコロ。
他のみんなも同様に真剣な顔であたしを見つめる。
フゥ…と息を吐いて、元の世界での事を話し始めた。
蓮「あたしは6歳の時に両親に捨てられて、それからずっと叔父の家で暮らしてきました……」