第6章 振り回される二人
〜 ピッコロside 〜
嵐の様な騒がしさが去った後、電話の前でオレは固まっていた。
ピ「電話……か」
もちろん電話など使った事ない。
だが、使い方は知識としてある。
ピ「チッ、こんなもの使えるか。飛んだ方がマシだ」
そう呟いて庭へ出ようと踵を返した時、ふとある考えが浮かんだ。
(待てよ……?何処か一ヶ所にだけ掛けてしまえば…他の奴らの所はそいつに電話して貰うよう頼めばいいのではないか?)
電話を使うことは気が進まないが、それが一番面倒ではなさそうだ。
(さて、そうと決まればどの家に掛けるかだ。悟飯が一番良いのは間違いないが、今の時間は学校だろう…。そうなると電話に出るのは悟空…いや、あいつは修行だな。となると……チチか。あいつの喧しさはブルマ並みだからな……)
次に思い浮かんだのはカメハウス。
(電話に出る可能性があるのは、クリリン・亀仙人・18号というところか。18号はあまり話した事はないが、チチよりはずっとマシだ……)
ピ「カメハウスに決まりだな」
アドレス帳をペラペラとめくり、受話器を手に取った。
ヤムチャは最初から選択肢に無かった。
トゥルルル……トゥルルル……
規則正しく呼び出し音が続く。
トゥルルル……トゥルルル……
ピ「クソッ、誰も居らんのか」
イライラし始めたとき、受話器を取る音がした。
(よし、繋がったぞ!!クリリンか?亀仙人か?18号か?)
「……もしもし」
……聞こえてきたのは幼い女の声。
(ぬおっ!?マ、マーロンかーーーー!!??)
予想外の展開に変な汗が出てきた。
マ「……もしもしー?」
再び聞こえてきた声に我に返る。
ピ「あ、ゴホン……もしもし」
マ「おじちゃんだあれ?」
ピ「お、おじちゃんではない。ピッコロだ」
マ「ピッコロのおじちゃんー?」
ピ「だからおじちゃんでは……まあいい。そうだ、ピッコロのおじちゃんだ」(汗
すっかりペースを乱されてしまった。