第4章 別世界
ピ「何をしている?風邪を引くぞ」
背後から聞こえた低い声に、上を向いたままの首をさらに少し後ろへ傾ける。
腕を組んで仁王立ちのピッコロがジッと此方を見ていた。
蓮「星を眺めてた。此処は凄く綺麗な星空が見えるんだな」
ピ「まぁな。此処は地上と違って人工的な光が無いからだろう」
口の端を少し持ち上げるようにして薄く笑うピッコロ。
(………!!)
トクン…
その表情に、胸が鳴った。
(…ンだよ…そんな顔も出来んのかよ……////)
あたしの傍へと歩いてきたピッコロが向かい合うように座る。
ピ「……お前に訊きたい事がある」
蓮「なんだ?」
ピ「お前は見たところかなり不思議で大きな気を持っているようだが、それはその……他人の心臓に何か異変を齎す(もたらす)作用があるのか?」
蓮「は?」
意味がわからない質問に、あたしは首を傾げる。
(いきなり何を言い出すんだこの葉緑体は…?)←(酷い
蓮「てゆーか、気ってなんだ?」
ピ「気が分からんのか?つまり……人の持つエネルギーと言えばいいのか。それを使って空を飛んだり怪我を治したり気功波を打ったりするだろう」
蓮「あの…悪りぃけど、なに言ってんのかサッパリわからん。つーか人間は飛べねぇぞ?あ、もしかしてこの世界の奴らはみんな空飛べんのか!?」
ピ「いや、殆どの者は飛ぶ事は出来ん。そうか……お前は自分の潜在能力がよく分かっていないのだな」
蓮「あたしに何か能力があんのか?」
ピッコロは暫く腕を組んで何か考え込んでいたが…
ピ「……まあいい。この話はまた別の機会にしよう」