第3章 トリップ
蓮「ん………」
今度こそ本当に目が覚めたようだ。
目を開けるとボンヤリと白い天井が見えた。
寝起きの頭でさっきまでの事を思い出す。
(なんであたしやあいつの名前知ってたんだ…?それにあの人…どっかで見た事あるような……)
ー 目が覚めたら、貴方の前には一人の男性がいる筈…… ー
蓮「!!」
ガバッ!!
あの女の人のその言葉を思い出し、あたしはベッドから跳ね起きた。
(そうだ…男だ!!あの人の言ってた男を探さねぇと。確か、人間じゃないとか言ってたな……)
別にあの女の人の言う事を信じる訳じゃないけど、今のこの状況を把握する為には誰かに話を聞く事が必要だ。
あたしはゆっくり周りを見回した。
すると、窓の辺りで人と目が合った。
そいつはとても大きくて…白くて…紫色で…緑色の見た事もない姿だった。
(もしかして、こいつが……?)
あたしは暫くそいつを見つめた。
そいつもあたしを見つめてた。
そいつは眉間に皺を寄せて怒っている様にも見えるが、その瞳は優しい光を宿しているように感じる。