第3章 トリップ
ピ「目が覚めたか」
沈黙を破ったのはそいつだった。
蓮「あ、あぁ……此処は一体何処なんだ?」
ピ「此処は神の神殿だ」
蓮「神?じゃあやっぱ、あたしは死んだのか?」
ピ「いや、お前は生きている。答えろ、どうやって此処に現れた?」
そいつは少しあたしを睨み付けながら訊いてきた。
蓮「ンなもん知るかよ。目が覚めたら此処に居たんだからよ…」
あの女の人の事は口にしなかった。
蓮「あたしは…崖から落ちて死んだ筈だ……」
ピ「…どうやらお前にもわからない事が多いようだな。まあいい、とりあえず家まで送ってやろう。家は何処だ?あー……」
蓮「蓮だ。朝霧 蓮」
ピ「蓮か…オレはピッコロだ。家は何処だ?蓮」
蓮「……東京の○○の△△…」
(またあの家に帰らねぇとダメなのか。あたしを殺そうとした叔父の所に…)
そう思うと、あたしの気分は沈んだ。
が、こいつ…ピッコロの言葉で現実に引き戻される。
ピ「トウキョウ?なんだそれは?聞いた事のない名前だ…。お前は都の者ではないのか?」
蓮「みやこ?あ〜、まぁ渋谷とか原宿に比べたらそんな都会って感じじゃねーけど…。あ、もしかして此処外国か?国名は日本だ。わかるか?」
ピ「ニホン………いや、そんな国はこの地球には存在しない」
蓮「……は?」
それからこの世界の事を色々とピッコロに話してもらった。
(…どうやらあの人の言ってた事…ホントみてぇだな……)(汗
この時、珍しくあたしは冷や汗を流した。
どうやらあたしは、本当にトリップしてしまったらしい……。
第3章 終わり