第11章 認めた想い
〜 ピッコロside 〜
(何故だ…何故こんなにもイライラする!?蓮があの男の事を話す度…何故ここまで……!!)
自分がわからない。
蓮があの男の名前を口にするだけで……蓮が楽しそうにあの男の話をするだけで心臓がザワつく。
ヤムチャの時も感じたこの感情…。
蓮の反応の違いもあり、あの時よりも苛立ちは強い。
悟飯の言った様に、蓮が他の男と関わるだけで苛立つ。
(コレが…嫉妬なのか…?)
好いている者が他者に好意を向けた時に感じる感情……自分のコレはソレにとても酷似している。
蓮があの男に好意を向ける事がとても腹ただしい。
ピ「…お前は随分あの男を評価するな?」
隠せなかった苛立ちが出て先程よりも低くなった声に蓮がピクッと反応する。
蓮「う、うん。まぁ、ホントにあいつ強いし…」
焦る姿に罪悪感を感じ、気を落ち着ける為一つ息を吐く。
ピ「お前は覚えがよく、飲み込みが早い…戦いの才能は確実にある。あの男の実力はわからんが、修行を積めばお前だってあの男以上に良い戦士になる。お前は自分を過小評価し過ぎだ。もっと自信を持て」
少し言い方がキツかったかと一瞬後悔したが、蓮の頬はみるみる赤く染まり、その姿にまた心臓がザワついた。
しかし今度は別の意味でだ。
蓮のその顔に胸が高鳴るのを感じた。
その身に触れたい…その身体をこの腕に抱きたい…
そんな思いが溢れ出そうになる。
(な、何を考えてるんだオレは////!!)
そんな思いを振り払うように軽く頭を振り、送っていくと言い蓮に手を差し出す。
蓮「ああ、ありが…わっ!」
だが立ち上がった蓮が体勢を崩しこちらに倒れ込んできた。
ピ「おっと」
咄嗟にその身を抱き止めた。
声を掛けようとした瞬間、パッと顔を上げた蓮。
その間近にある顔に思わず息を呑んだ。
先程よりも赤く染まった美しく整った顔立ち…汗で肌に張り付いた透き通るような白い髪…自分を見つめる少し潤んだ黒と紫の瞳…。
その全てがオレの心を掻き乱す。
気が付くと蓮の顔を引き寄せ、その小さな唇に自分のソレを重ねていた。