第10章 現れた幼馴染み
迅「………蓮…?」
すると、迅の目がゆっくりと開かれた。
蓮「ああ、そうだ!蓮だぞ!!」
迅は数回瞬きを繰り返した後、上半身だけを起こしあたしを見つめる。
迅「ほ、ホントに…ホントに蓮か?夢じゃねーだろな…?」
蓮「なんなら引っ叩いて確認してやろーか?」(ニヤッ
迅「い、いやっ!それは遠慮しとく!!…じゃあ…マジで蓮……?」
蓮「ああ…そうだよ…」
迅「〜〜〜〜っっ!!」
次の瞬間、あたしは迅に思いっきり抱き締められた。
迅はあたしの身体を包み込む様に、その存在を確かめるかの様に抱き締める。
迅「バカヤロォ…勝手にいなくなりやがって…。どんだけ心配したと思ってんだよぉ……」
蓮「悪かったよ…心配掛けて…」
迅「ううっ……ひっく…ふっ…ぐすっ……」
あたしの肩に顔を埋め泣きじゃくる迅。
こいつは昔っから見た目のわりに泣き虫だ。
それにビビりだからよくホラー映画なんかを見た後は今みたいに引っ付いて離れなかった。
こいつは昔っから全然変わってない。
それを見て、なんだかとても申し訳ない気持ちになった。
蓮「ゴメンな…もう勝手にいなくなったりしねーから……」
そう言って泣きじゃくる迅の背にあたしも腕を回し、優しく摩る。
まるで、母親が子供をあやすように。
(ゴメンな……迅……)
オマケ→