第2章 プロローグ
ーー 学校・生徒指導室
先「…本当にその傷は喧嘩によるものなんだな?」
蓮「はい、そうです」
学校に着いたあたしは案の定先生に呼び出しを食らって生徒指導室に連れて来られた。
今目の前には担任が座っている。
先「朝霧、お前の傷はいつも痛々しいが、たまに刃物か何かで切られた様なものもあるぞ?あいつらもお前には一方的に殴られたと言っている。それに…お前が意味も無く人を殴る様な奴とは思えん。…正直に言いなさい。その傷は誰に付けられたんだ?」
蓮「正直も何も…これはあいつらとの喧嘩で出来た、ただそれだけです」
先「オレにはお前があいつらにそんなになるまで殴られる様な奴には見えんのだが…」
蓮「先生は私を過大評価し過ぎです。私は、貴方達が思ってる程強くなんかない…」
(そう、あたしは強くなんかない…。寧ろ弱い。…あいつに……勝てねぇもん…)
それだけ言って、あたしは席を立った。
蓮「ご迷惑をお掛けしてすみませんでした。以後気を付けます。授業が有りますので、これで失礼させて戴きます」
先「おい!待て、朝霧!!」
後ろで先生が呼んでいたが、あたしは無視して生徒指導室を出た。
だがああ言ったものの授業を受ける気になれず、屋上に向かった。
屋上は良い。
立ち入り禁止で誰も来ないからゆっくり出来るし、何より静かだ。
あたしは早足に屋上へ向った。