【あやかし百鬼夜行 魂 】妖界王には人間の隠し子がいまして…
第2章 妖怪横丁での出会い
狐の小娘はドヤ顔を披露するが、月沺はまた首を傾げる。確かに容貌は似ているが、こんなに子供ではなかった。さっきは160cmほどあったが、今は140cmほどだ
貴「俺、こんなチンチクリンな嬢ちゃん助けた覚えはないんだけど…」
?「お前さま、失礼なやつじゃのう…
よく見ておれ」
ポンッとさっきの美人が月沺の目の前に現れた。次の瞬間、またポンッと狐の小娘に戻った
確か実家の書物に狐は化けられる、と書かれていたことを彼は思い出した
貴「つまりあの別嬪さんは嬢ちゃんだったわけだ」
?「そう、どちらもわし
女狐に真実を求める方が野暮というものじゃ」
彼女はフッと微笑んでいた
尾「わしの名は尾光(オコウ)。見ての通り妖狐じゃ
訳あって一人旅をしておるのじゃが…」
一人旅は今日までかもしれんのう、と尾光は月沺を見上げる
尾「お前さまは…縁や運命を信じておるか?直感は?」
貴「なんだよ、急に…」
すると尾光はふふふ、と笑い声をもらす。彼に嫌な予感をさせた
尾「女狐は嘘つきな生き物じゃな。先程わしは軟派者は嫌いと言ったが…お前さまのこと、ちょっと逆ナンしても良いかのう?」
妖艶な笑みを浮かべ、月沺を見上げる尾光。彼は目を見開いたが、堪えきれず、ふはっと笑ってしまった
貴「お前さんみたいな別嬪さんが逆ナンか、ははっ!
こりゃ笑える!」
尾「む、わしは真剣じゃぞ!!
百鬼夜行大会は知っておるな?」
貴「次の妖界王を決めるやつだろ?」
尾光は彼の問いかけに「そうじゃ」と頷き、旅の目的は百鬼夜行の頭領探しだ、と彼に伝える
尾「お前さま、王を目指す百鬼夜行の頭領になってくれんかのう?」