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【あやかし百鬼夜行 魂 】妖界王には人間の隠し子がいまして…

第2章 妖怪横丁での出会い


軟派男「なんだよ、見せモンじゃねーぞ。文句があるなら表に出な。俺に喧嘩を売る度胸を認めて…
相手になってやる!」

貴「ハァ…他のお客さんに迷惑だろ、ったく」


月沺は会計を済ませて、軟派男と共に表に出る。刀は持っているが、こんな町中で使う必要はないだろうと彼は体を伸ばす。軟派男は鎌を構える


「覚悟はいいな?
俺は虫喰山(ムシクイザン)の山賊頭、名を…」


軟派男が名前を言いかけたところで、「これこれ…店の前で喧嘩は駄目じゃぞ」と妖狐が間に入る


「かたじけないのう、面倒ごとに巻き込んでしまって。黙っていれば諦めるかと思ったんじゃが…」


妖狐は申し訳なさそうに月沺を見上げる
そして、彼女はフッと軟派男を見た


「のう、賊よ。他の客にまで迷惑をかけるのなら、わしとて黙っておらぬ
それと…しつこい男は嫌いじゃ!」

(貴「随分と直球で言うね、別嬪さん…」)

「口説く暇があるなら、まずは惚れさせる行動!たとえばそう…百鬼夜行を率いてみるなど!!」


彼女は堂々と宣言する。さすがに軟派男も手を引くようで、「へっ、分かったよ…出直して来てやらぁ」と苦笑いする


軟派男「その威勢の良さ、ますます気に入ったぜ…
じゃあな!」


こうして月沺が手を貸すまでもなく、軟派男は姿を消した。彼がくわぁと欠伸をしていると、「お前さま、お前さま」と少女の声が聞こえた

あたりを見回しても声の主がいない。月沺は首を傾げると「どこを見ておる…下じゃ!」と袖を引っ張られた


貴「…お前だれ?」

?「さっきは助けようとしてくれたのじゃろ?
お気遣い感謝するぞ!」


彼の目の前にいたのはさっきの妖狐ではなく狐の小娘であった。さっきの美人と同じ黒髪に赤い目をしている。


貴「嬢ちゃん、さっきの狐の別嬪さんはどこに行ったか知ってるか?」

?「それはわしじゃ、わし!」

貴「…へ?」
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