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【あやかし百鬼夜行 魂 】妖界王には人間の隠し子がいまして…

第2章 妖怪横丁での出会い


ガラの悪い妖怪達が出入りする場所に到着する。ここは荒くれ者の集う妖怪横丁である

ここに住んで数ヶ月。家には住んでいるが、金がない月沺はグゥと腹を鳴らす


貴「さて…とりあえず飯にするか」


月沺は一番近い食堂に入る。いらっしゃいませ〜と声が聞こえた。彼が席に座ると女が目に入る
黒髪に赤い目の美女で、狐の妖怪だ


(貴「随分と別嬪さんがいたもんだ」)


すると彼に女性従業員がお茶を持ってきた。三毛猫の猫又のようで、フリフリと二本の尻尾を振っている。とりあえず月沺が定食を注文すると「注文入りました〜!」と厨房の方へ歩いて行った

しばらくすると彼の前に定食が運ばれて来た。焼き鮭にサラダ、豆腐の味噌汁に白米だ。「いただきます」と手を合わせ、彼は食事を開始した


しばらくすると食事を終えて、彼はお茶を飲み妖狐の方を見た。長髪の男に絡まれている。男は両手に鎌を生やしていて、左目に黒の眼帯を付けている。いかにもどこかの頭の容貌だ


軟派男「なぁ、名前くらい教えてくれたって良いだろ?アンタ、探してた女にそっくりなんだ」

美女「…」


月沺は分からなかったので、チョイチョイと近くにいた“すねこすり”を呼んだ


貴「なぁ、あいつ誰?」

「良い食べっぷりのお兄ちゃん、知らないの?残念だけど、おいらも知らないよ
けどかわいそうに…あの狐のお姉ちゃん、さっきからずーっと絡まれてる」


続いて“おとろし”が話の入ってくる


「よ、横丁のモンでねぇな。見だこどねぇ美人さんだぁ」

貴「お前さんはあいつの事知ってる?」

「すまねぇが知らんでな」


“おとろし”は頭を横に振った。するとまたまた、小さい“化け達磨”が彼らの所へやって来た


「しつこいナンパは男の恥!
ようし、ここはおいらが…」


近くにいた“毛倡妓”が「やめておきなよ」と“化け達磨”を止めた


「あの男…最近よく聞く『何某』って賊の頭だよ。あなた達じゃ返り討ちにされるのが目に見えてる誰か呼んで来てもらった方が…」


これでは話が進まない、と月沺は“毛倡妓”の前を通って、軟派男と美人の間に入って行った
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