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〈イケメン戦国〉紫陽花の咲く季節

第8章 再び


「まず、君たちが帰ることが可能なのは伝えたよね?」

私達は頷いた。

「君たちが帰れるのは三ヶ月後、9月15日になると思う。場所はまた本能寺」

「じゃああと3ヶ月間ここで過ごすんですね」

「うん。君達はそのまま安土城にいてほしい。この時代は何かと物騒だからね」

「「わかりました」」

そうなるとお行儀見習いの姫という設定は私たちがいなくなってもまあ納得がいくものだし、ちょうどいいかもしれない。

佐助さんが懐から物を取り出して言った。

「俺は訳あって忍をしているんだけど、何かあったらこれを燃やしてほしい。煙に色をつけたからすぐ見分けがつくし、助けにいける」

「これは…催涙弾?」

絢が白色のよもぎ餅サイズの玉を手に取る。

「それは煙玉。まぁ使い方はわかると思う。あとおまけに催涙玉もつけとくよ。青い方が催涙玉」

そう言って佐助さんはお助けグッズを巾着袋にいれていく。

「あとこれはまきびし。俺が作った特製品だ。役に立つから持っていてほしい。とげが鋭いから袋に入れておくね」

(まきびしの押しが強い…)

私達はありがたく受け取っておいた。


「あ」

絢が思い出したように立ち上がる。

「せっかく城下町に来たのにウインドウショッピングしてなかった!」

「窓ないけどね」

「そういうことじゃないって…」

「えー…私はまだまったりしてたいんだけどな」

実はお菓子が思いの外お腹にたまるものだったというのはある。

「じゃあ椿さんともうしばらく話してるから絢さんは護衛の人を連れていけばいいんじゃないかな」

そう佐助さんが提案した。

「それ名案ですね!行ってきます!」

そう言って絢は政宗の部下の人のところに走っていった。
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