第8章 再び
私が昨日わらび餅を食べた茶屋で私達は一服していた。
「昨日騒ぎがあったのってあそこ?」
そう尋ねながら絢は前の方に目線をやった。
「うん。綺麗な髪色のオッドアイの人に助けてもらったの」
「イケメンだった?」
「わかんないけど私の好みの顔だった」
「いいなぁ」
テレビをあまり見なかったせいか私はイケメンに疎い。
女子校にいるお陰で女の子のかわいさを知ってしまったわけだが。
政宗の部下らしき青年は少し離れたところで辺りを警戒しながら立っていた。
「やあ、絢さんに椿さん」
そう言って佐助さんがひょっこり現れた。
「あ」
「佐助さん!」
「来てくれてありがとう。…あの人は護衛?」
「あ、うん。政宗の部下の方」
すると佐助さんは私達の向かいに腰を下ろして言った。
「伊達政宗を呼び捨て…羨ましいけど俺にはできない…」
「私達も半ば無理矢理呼び捨てでいいって言われましたから多分佐助さんも大丈夫ですよ」
私達がそう話していると政宗の部下の方がこちらに来て言った。
「失礼、間柄をお伺いしても…?」
すると佐助さんがさらりと答えた。
「故郷が同じでして…以前お仕えさせて頂いていたんです」
私はそこで佐助さんの意図に気付く。
「ええ、懐かしくなってつい…」
「そうだったのですか…不躾な質問をした無礼をお許しください」
「大丈夫ですよ」
私がそう言うとその人は一例をしてまた離れたところに立った。
「じゃあ状況もアレだし、聞かれてもいい話じゃないから手短に話すね」
「「よろしくお願いします」」