第8章 再び
城下への道すがら絢と私は政宗に私たちが聞ける範囲の執政に関する質問をしていた。
「税制度はどうしてるの?」
「ぜいせいどって何だ」
「年貢の集め方」
「なるほどな。まぁ奥州じゃあ…」
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──
そうこう話しているうちに城下に着いた。
「いろいろ教えてくれてありがとね、政宗!」
「何てことはねえよ。政を学ぶのは大事だからな」
そう言って政宗はひらひらと手を振った。
「政宗様!」
そう声が聞こえてきたほうを向くと青年がこちらに向かって走ってきていた。
「おう、どうした?」
「(政宗様が東方へ放っていた斥候部隊が帰ってきまして)」
青年が政宗に耳打ちをすると政宗はニヤリと笑い、私たちに言った。
「すまねえ、用事ができた。代わりにこいつを置いていくから何かあったらこいつに頼め」
「「はーい」」
私は絢にこっそりたずねる。
(何て言ってたか聞こえた?)
(ちょっとなら)
(ほんと!…何て?)
(東方斥候部隊がなんとかかんとか。斥候部隊って?)
(まあスパイみたいなものじゃないかな)
そう私たちがこそこそ話していると青年がやや緊張ぎみに言った。
「姫様方、で失礼ないでしょうか…?どうされましたか?」
「ぜひ名前で呼んでください!私は椿、こっちが絢っていいます」
「よろしくお願いしますー!」
その青年がなおも緊張しているこてか見てとれたので私達は一先ず茶屋にでも行き、おしゃべりをして親睦を深めることにした。