第7章 宴
「ではお化粧を致しましょう」
そういってふみさんは私に、さくらちゃんは椿にお化粧セットを持ってきた。
「私もするの…?」
「もちろんでございますよ」
─
「姫様方お綺麗です…!」
さくらが感動したように言った。
「ありがとう!さくらちゃんお化粧上手だね…!」
「あ、ありがとう…」
対して私は再びげんなりとしていた。
(顔にいろんな粉塗られた気がする…)
普段は化粧どころかリップさえ塗らないのにいきなり戦国時代ガチメイクをされてしまい、いろいろ追い付かない。
その時廊下から声が掛かった。
「絢様、椿様、お支度はお済みでしょうか?」
声の主は石田さんらしい。
「三成さん!先ほど終わったところですよ」
椿は襖に駆け寄り(はや歩きの方が表現が近いが)襖を開けた。
「どうかな?大丈夫だと思います?」
そう言って椿は私の手を引っ張って椿の部屋の真ん中まで連れてきた。
「お二方ともとても素敵です…!お美しい姫様方ですよ」
(なんかこっちが恥ずかしいよ、そのセリフ…)
石田さん…まぁ三成さんかな、無自覚天然タラシだぞこりゃ。
「ありがとうございます、三成さん」
椿も若干はにかみながら応えていた。
「ではお二方ともお支度がお済みということで宴に御案内させて頂きますね」
三成さんはそう言って廊下に出ると広間の方を手で指し示した。
「「よろしくお願いします」」