第7章 宴
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おおかた(というかほぼ)着替え終わり、あとは髪をいじるだけになった。
とはいえ私にはいじる髪もないので解かして香油を馴染ませるくらいしかすることがない。
そしてどうでもいいがニ、三枚着物を重ねているからかとても動きにくい。
「椿様、髪結いはどうなさいますか?」
ふみさんが鏡台から櫛を取り出しながら言った。
「自分でします!それでも…?」
「良いですよ。椿様はご自身で髪結いされるんですね…」
ふみさんは前ほどではないが、驚いた様子で言った。
椿は器用に髪を結ぶと手首に隠していただろうゴムで留めた。
ふみさんとさくらちゃんからは何も反応がなかったから二人は紐かなんかだと思っているのだろう。
「お飾りはいかがいたしますか?」
そう言ってふみさんが髪飾りが沢山入ったトレーのようなものを差し出した。
「じゃあ…、これとこれにします!」
そういって椿が選んだのは戦国時代あるあるのような形(髪を結ぶとこにつけてあるやつ)をした貝の飾りと細工のない金の簪だった。
椿は飾りをするするとポニーテールに通すと簪を差して固定した。
さくらちゃんがはっと気付いたように言った。
「うなじはお見せして良いんですか…?」
その言葉にはあからさまに良くない、という意味が含まれている。
が、椿はにっと笑って言った。
「この髪型がこの衣装に一番合うと思ったの。下し髪が合う衣装ならおろす。それがお洒落じゃない?人目なんか気にしてたら息が詰まっちゃうでしょ」
(そうなんだけどね)
これは現代の思想だからこの人たち着いていけないんじゃないかな…
するとふみさんがふふと笑った。
「椿様は信長様と同じようなことをおっしゃいますね」
「ええっ!」
(信長様そんなこと言ってたんだ…!)
信長様の好感度がちょっと上がった気がする。