第7章 宴
猛烈に反省して、安土城にかけてもう二度とやらぬと三度誓った後、ちょうどいい感じに体が温まったのでざばりとお湯から出る。
(昼風呂って贅沢だな…)
本来ならば6限だからと余裕ぶっこいてほとんど勉強していなかった漢字テストをひいひい言いながら受けていたはずだ。
(良いんだか悪いんだか…。まぁ良くはないか)
浴槽の隣に置いてあった手拭いで体を拭く。
入浴中着ていてくれと頼まれた白い浴衣(?)は当然気持ち悪いので脱いで縁に置いてあったのを一応乾かした体に纏う。
髪はショートとボブの間くらいの長さだからか、わりとさっさと乾いてくれるから楽だ。
一応すべて終えた私は何もなかったかのような顔を作る。
「いいお湯でした…!ありがとうございました」
からりと戸を開けて中に入る。
すると三人は一瞬びっくりしたものの、すぐ仕事モード(?)に戻った。
まぁ歌ってるのが聞こえていたのだろうなと反応からはっきり伺えた。
「それは良かったです」
さくらはそう言ってはっとした。
「絢様、あれほど着ておいてくださいとお願い申し上げたのに…!」
「げ、何でわかったの?!」
私は自分でそう言ってからはたと気付く。
(濡れてないからだ…)
「濡れていらっしゃいませんから」
「ですよね」
ふじさんは「仕方がありませんよ」とさくらを嗜めてから言った。
「では姫様、お髪を仕上げますからそこにお座りください」
椅子は脱衣場と思わしきところに置いてあった。
(ヘアセット?この髪の長さとタイミング的にあんまり意味を感じないんだけど…)
そう思いながらも私は「はーい」と素直に座椅子みたいな物に座った。