第1章 出会い
PM7:10
私達はグー○ルマップを頼りに何時もと違う道を歩いていた。
「うわぁー、やっぱ晴れてるから星が見えるね!ちょっとだけだけど!」
私達は星を眺めるという名目で帰り道を遠回りをしていた。
「ねぇ絢、次の十字路いつもランニングのとき右曲がってるから左行ってみようよ」
「そうだね!」
しばらく歩くと、少しひっそりしているところに着いた。
「この辺静かだね」
ぽつりと椿が呟いた。
辺りを見回して私はあるものを見つけた。
「あ、見て椿、あそこに石碑あるよ」
「ほんとだ。何の石碑だろ?」
二人で石碑に歩み寄っていると、突然頬にぽつりと雫が降ってきた。
「!」
「え、うそ」
私達が雨宿りする前に雨は急にザァーっと降り始めてしまった。
「ちょっとまって、今傘出すからっ」
「絢、あそこに人がいる!」
「何でこんな雨の中に⁉」
「待って、なんかこっちに気付いた。ってか来てる…!」
─ゴロゴロ…ピシャーン‼
「うわぁっ」
私達が雷にびっくりしていると白衣を身に付け眼鏡をかけていた男の人が私達の元に駆け寄ってきた。
「君達、ここは危ないからちゃんと雨宿りした方がいい」
「あなたはどうするんですか?」
私が警戒しながら聞くと白衣の人は言った。
「僕は大学院生で、今研究の検証にきているんだ」
「そうなんですね」
その時、私達の横で石碑が一瞬光った。
「…しまった」
「えっ」
大学院生の人が呟くと同時に雷が石碑に直撃した
─ように見えた。
「椿っ!」
「絢ーっ!」
私達は第六感からだろうか、とっさにしっかりと手を繋ぎ、歪む視界の中互いの名前を呼んだ。
どんどん視界が歪んでいくとともに意識が定まらなくなってくる。
薄れゆく意識の中、雷の光で一瞬見えた石碑の文字は「本能寺跡」と書いてあった。