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〈イケメン戦国〉紫陽花の咲く季節

第2章 安土城


目の前の部屋に襖がたくさんあるのが見え、大きめの部屋なんだろうなと思いながら三成さんの後ろを歩いていった。

すると三成さんは二枚目の襖のところで立ち止まり、片膝立ちになると言った。

「石田三成でございます。絢様と椿様をお連れいたしました」

それを聞いて中から低い信長様らしき声が「入れ」と声を掛けた。

「失礼致します」

三成さんはそう言うと襖を開けて立ち上がり、「どうぞ」と私たちを中に招き入れた。

「「失礼します」」

私達はぺこりと会釈をして中に入った。
広間に足を踏み入れると上座に信長様、中座右翼に豊臣さん、明智さん、左翼に政宗、家康さんが控えていて、下座には家臣であろう武士達がたくさんいた。

武士達は私達の方をみてヒソヒソ話したり、興味深そうな目線を寄越してきたりした。

三成さんはすこし困った顔をして、それから何か思い付いたように小さく頷き、私たちを入り口付近の末席に座るように言って下座の一番前のところに座った。

それを見た信長様は脇息にもたれていた右手に持っている扇をパチンと鳴らして言った。

「揃ったか」

信長様がそう言うと武将達と武士たちが一斉に礼をした。

「これより軍議を始める。各々報告を致せ」

「「「はっ」」」

そうして軍議は始まった。

私は話がちんぷんかんぷんだし、全く興味もないので椿に何かあったら起こしてくれるよう頼み、必殺『姿勢を正したまま寝る』を発動することにした。

椿は小さくわらって「私も全然話が見えないから眠いのわかる」と言って快くOKしてくれた。


私は辺りを少し見回して見られてないのを確認してから眠りについた。
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