第2章 安土城
私がそう言うと家康さんはげんなりして言った。
「…意味わかんないんだけど。てか俺、あんたとよろしくする気ないから」
それを聞いて私は思わずむっとして切り返した。
「べつにしたくなければしなくて結構です!」
「「「!!!」」」
3人は目を見開いて私を見た。
「面白ぇ、お前みたいな女はじめてだ」
政宗がにやりと笑って言った。
「絢様は勇ましい方なんですね」
石田さんは少しずれた発言をする。
「…」
家康さんは黙ってしまった。
「「「「…」」」」
つかの間の沈黙が辺りを支配する。
(気まずい…)
そう思った私は政宗に尋ねた。
「ねぇ政宗、椿達はあとどれくらいで着くの?」
「もう少しだ。俺は厩にこいつを戻してくるからお前は家康と三成と一緒に待っとけ」
「はーい」
「承知いたしました」
「…はぁ」
私達が返事したのを聞くと政宗は厩があると思わしき方向に行った。
それから政宗が戻ってくる前に椿達一行が到着した。
それまで結局私達は(正確には石田さんを抜いて)一言も話さなかった。