第2章 「魔法省の勧誘」
「生きていて、何ヶ月も前にニューヨークを出た。
今はヨーロッパの何処かにいる。
場所は特定出来ていないが、しかし______」
「それで、僕にクリーデンスを探せと?殺すために?」
「相変わらずだな、スキャマンダー」
突然の声にニュートはぎくりと反応すると、
部屋の隅の暗闇からグリムソンが出てきた。
彼は自称「賞金稼ぎの魔法動物ハンター」である
「何しに来た?」
「君が甘すぎて出来ない仕事を引き受けに来た。」
クリーデンスのゴーストのようなイメージが、
魔法のかかったテーブルの表面でちらちらと揺らめいている
「こいつがそうか?」
ニュートは憤然と立ち上がり、荒々しく出口に向かった
「旅行の申請は却下!」
テセウスはニュートの後を追うかのように席を立ち
部屋から出ていった_______
「ニュート!
グリムソンを使うのは私だって嫌なんだ。」
「テセウス…目的のためには手段を選ばず、
なんて聞きたくない。」
「見ざる聞かざるでは現実は見えないぞ!」
「オーケー、どうせ僕は自分勝手で…無責任で……」
「どちら側に付くか、選択を迫られる時が来る。」
「僕にはどっちの側なんて関係ない」
ニュートが踵を返して去りかけるが、
追ってきたテセウスが腕を掴んで引き止めた
「来いよ。」
テセウスはニュートを引き寄せて
ハグをすると、耳元でこう囁いた_____
「君は見張られている。」