第2章 「魔法省の勧誘」
ニュートとテセウスが部屋に入ると、
トーキル・トラバース、アーノルド・グズマン、ルドルフ・スピールマンが既に着席していた。
「聞き取りを始める。」
「国外への旅行禁止令を解いて欲しいとの事だが、理由は?」
「国外に旅行したいからです。」
「当該の者は非協力的で、前回の旅行の理由をはぐらかしている」
全員がニュートを見て答えを待つと、
ニュートは少し焦りながら答えた。
「あれは調査旅行でした、魔法動物の本を
書く材料を集めていたのです。」
「君はニューヨークの半分を破壊した」
「いいえ、それは二つの理由で事実と違う___「ニュート!」
テセウスが自身の名を呼び、ニュートは口を噤んで顔をしからめた。
「スキャマンダー君、君は不安だろうが正直言って我々も同じだ。歩み寄りの精神で、一つの提案がある。」
「どんな提案ですか?」
「委員長として国外旅行を認める代わりに、条件を飲んでもらう。」
「魔法省に入るのだ、具体的には君の兄さんの部署に所属する」
ニュートは提案に戸惑いながらもこう告げた
「いや、僕は__それは僕には向いていない__
テセウスは闇祓いだ。僕の能力は他のところにある…」
「スキャマンダー君、魔法界と非魔法界はこれまで一世紀以上平和共存してきた。グリンデルバルドはそれを壊そうとしている…
しかも魔法界の1部の者にとって、彼のメッセージは非常に魅力的だ。特に純血の一族は、魔法界ばかりか人間界をも支配するのが、聖徳の権利だと考えている。彼らは英雄視するグリンデルバルドは、この若者を利用して野望を実現しようとしている。」
勿論、君の身近にいる者もな。とグズマンはそう言った。
これを聞いてニュートは顔を顰め、テーブルの表面に浮かび出たクリーデンスと最愛のコウヒ・ローズウィルの顔を見つめた。
「すみませんが、クリーデンスがまだ生きているかのような話しぶりだ。」
「ニュート、彼は生き延びた。」
ニュートは言葉を失い、テセウスを見つめると彼は頭を頷いた_________