第6章 「思い出したくない記憶」
マネ妖怪、ボガートの授業_____
ダンブルドアは並んで戦いを挑んでいる
10代の生徒達を指導していた。
「リディクラス」
サメが浮き輪になったり、ゾンビの頭がかぼちゃになったり、
バンパイアが出っ歯のうさぎになったりする度に生徒達は大はしゃぎになった。
「よーし、ニュート。
勇気を出して杖を振るってごらん」
16歳のニュートが先頭に出ると、
ボガートが魔法省の机に変わった。
「うーむ、これは珍しい。
スキャマンダー君がこの世で何よりも怖いのは何かね?」
「机に向かって仕事をすることです…」
「よし。ニュート、行け。」
「リディクラス!」
ニュートは机を飛び跳ねる木製のドラゴンに変えて脇に退いた。
「よく出来た。」
ニュートが終わると、次はリタの番だったが
リタは怯えながら動かなかった。
「リタ、ただのマネ妖怪だ。
君を傷つけたりはしない…誰にでも怖いものはある」
「一体何が出るか楽しみね。」
そのままリタが進みでると
ボガートが変身した途端、笑い声が全て消えた。
緑の光がクラス全員の恐怖の表情を照らした。
子供の小さな手の影がほのかに見えると、
リタはすすり泣きながら教室から出ていった______
目を泣きはらして湖の傍に座っているリタを
ニュートが見つけると「何も話したくない」と彼女は叫んだ。
ニュートが手を差し伸べてリタを立たせると
何本かの木の前を通り過ぎボウトラックルが木登りをしたり、
喧嘩したり、遊んだりしている木の前に来た。
人間の近付く気配で、ボウトラックルはピタリと動きを止めるが、ニュートだと分かって安心するとそのうちの一匹がニュートの手に飛び乗った。
「コイツらは僕を知ってるんだ、じゃなきゃ隠れる。
杖を作れる気にしか巣を作らないんだ…知ってた?
それに、とても複雑な社会生活をしている。
長く見ていれば分かるけど…」
ボウトラックルを手首に乗せたニュートがリタに近付くと
ニュートの手がかすかにリタに触れていた_________