第5章 「出会ってはいけない運命」
カーマの隠れ家に着くと、中は真っ暗であった。
水が滴り落ちる音、細く差し込む日の光がコートを着たまま床で微睡んでいるティナとコウヒの姿が見えた。
「ティナ、コウヒ?」
ティナとコウヒが目を覚ますと、
一瞬彼を見てティナは直ぐにむつけたような顔をした。
一方、コウヒはじっ…とニュートを見つめ続けていた。
そこにカーマの姿が見えず、ティナはニュートに救出されたかのように見えた。
「ニュート!」
「エクスペリアームス!武器よ去れ!」
カーマがそう呪文を唱えると
ニュートの杖が飛び出してカーマの手に収まる
ドアの周囲から鉄格子が伸びてきて、
四人を閉じ込めた__________
「すみませんね、ミスター・スキャマンダー!
クリーデンスが死んで私が戻ってきたら出してやろう」
「カーマ、待って!」
「彼が死ぬか…私が死ぬかだ。」
カーマは家から出ようとするが、
目を押さえて再び痙攣を起こし床に倒れた。
「うーん、救出するつもりにしてはまずいスタートだ。」
「救出ですって?たった一人の手がかりを失ってしまったわ」
「僕達が来るまでは、尋問はどうだったの?」
ティナはニュートを睨むと、地下道の奥にどんどん歩いていった。
「ニュート…」
「コウヒ…」
二人は少しずつ近付き、互いにハグをしようとした瞬間
鉄格子がギーッと開いた。
驚いて扉を見るとニュートのポケットにいた筈の
ピケットが鍵を開けていた。
「ピック、よくやった!この男に用があるって?」
「えぇ、スキャマンダーさん
この男がクリーデンスの居場所を知っていると思うの」
二人が気を失ったカーマを覗き込んだ時、
何処か上の方から大地を揺るがすような咆哮が聞こえた。
「ああ、きっとズーウーだ」
ニュートは杖を掴んで姿くらましをした__________